昭和大学薬学部の入試過去問をアレンジして公開しています。
入試過去問題
昭和大学薬学部編
早いうちから制限時間を意識した過去問演習を!
昭和大学薬学部の過去問を見る限り、とにかく入試本番は時間との戦いになるでしょう。特に英語・化学の2科目については"全問を解き終えることは不可能"という認識で臨んだほうが賢明です。幸い、昭和大学の合格最低点は6割台に落ち着くことも多く、決して高得点が必要な学校ではありません。すべて解き終えることは出来なくても、合格ラインを超えることは充分可能です。
早い段階で過去問を購入し、時間を測りながら"効率的に6割~7割得点する"という方向性で問題演習を進めることが大切ではないでしょうか。
化学
化学(各4点×14=56点)
※必要に応じて、以下の数値を用いなさい。
・原子量
H=1.00 C=12.0 N=14.0 O=16.0 Na=23.0 S=32.0 Cl=35.5
K=39.0 Ca=40.0 Cu=63.5
・気体定数
8.31×10の3乗Pa・l/(K・mol)
・気体の圧力
1atm=1.013×10の5乗Pa
・アボガドロ数
6.02×10の23乗
・ファラデー定数
9.65×10の4乗C/mol
・対数値
Log2=0.30 log3=0.48 log5=0.70
・平方根
√2=1.41 √3=1.73 √5=2.24
問1.
メタン・アセチレンはどちらも炭素と水素から成るが、炭素の質量百分率はメタンでは75.0%、アセチレンでは92.3%である。この事実は、次のうち、どの法則と関連が深いか、1つ選びなさい。
a:定比例の法則
b:質量保存の法則
c:倍数比例の法則
d:アボガドロの法則
e:気体反応の法則
c.倍数比例の法則
問2.
周期律表の第3周期にある元素について、以下の1~3の値が最大・最小となる元素を元素名・元素記号とも答えなさい。
1:価電子数
最大:Cl(塩素) 最小:Ar(アルゴン)
2:最外殻電子数
最大:Ar(アルゴン) 最小:Na(ナトリウム)
3:イオン化エネルギー
最大:Ar(アルゴン) 最小:Na(ナトリウム)
問3.
不純物を含んだ炭酸カルシウム18gを熱すると、以下の化学反応式のように分解し、酸化カルシウムが9.8g生じた。
CaCO3→CaO+CO2
この時、生じた炭酸カルシウムの純度は何%か、整数で答えなさい。
97%
問4.
pHが10の水酸化ナトリウム水溶液を200ml作りたい。必要な水酸化ナトリウムは何mgになるか、有効数字2桁で答えなさい。
ただし、水酸化ナトリウムの電離度は1.0とする。
0.80mg
問5.
次のうち、正しいものに○、間違っているものに×を記入しなさい。
ただし、すべて塩化水素・フッ化水素・臭化水素・ヨウ化水素について述べた文章である。
1:水溶液の酸の強さの序列は、フッ化水素>塩化水素>臭化水素>ヨウ化水素である。
×
2:これらの沸点を比較すると、フッ化水素が最も高く、塩化水素が最も低い。
〇
3:これらの気体はすべて無色で、かつ刺激臭がある。
〇
4:これら全ては二原子分子からなり、原子間の結合に極性がある。この極性はヨウ化水素の場合が最も大きい。
×
問6.次の化合物について、炭素原子間の結合距離が長い順に並べ、記号で答えなさい。
a.アセチレン b.エタン c.エチレン d.ベンゼン
b>d>c>a
数学
数学(各7点×2=14点)
問1.次の小問に答えなさい。
1:底面の半径が5、高さが12である直円錐に内接する球の体積を求めなさい。
(4000/81)π
2:A,Bが2人で4回じゃんけんをする。AがBより多く勝つ確率を求めなさい。ただし、あいこの場合も1回と数える。
31/81
英語
各15点×2=30点
問1.次の語句を並べ替えて、日本語に合致する正しい英文を作りなさい。
1:空気の約78%は窒素であるということを知っていましたか?
Did (composed / about / is / of nitrogen / you / 78% / that /know / of air)?
Did you knouw that about 78% of air is composed of nitrogen?
2:どうやら、あなたは昼に食べたものが原因で食中毒になったようですね。
It(though / something / food poisoning / looks / have / as / from / you) you ate at lunch.
It looks as though you have food poisoning from something you ate at lunch.
編集部より
昭和大学の入試問題では、多くの受験生が時間不足に悩まされる
発売されている過去問題集を見れば一目瞭然ですが、昭和薬科大学の試験は非常に広範囲からバランス良く出題されています。言いかえれば、傾向らしい傾向がないため、過去問研究をしたからといって大幅に有利になるようなものではないということです。
また、問題数が非常に多く、制限時間内に全問完答するのは困難。ある程度、問題を取捨選択して"解ける問題を確実に解く"という割り切りが必要になるでしょう。英語は2題の長文読解がメインで、その他に文法・語法・アクセントなどの小問が出題されます。長文はかなりボリュームがあるので、速読速解する力が必要。化学に関しても、時間あたりの問題量が多く、しかも計算問題の比率が高いという受験生泣かせの出題傾向が見られます。限られた時間の中で、いかに計算ミスをすることなく処理していけるかが最重要課題。理論化学を重視した学習計画をオススメします。唯一、時間的に余裕があるのが数学。他の2科目と比べると難易度も低いため、特に昭和大学に特化した対策は不要でしょう。ただ、途中式を要求されずに答だけ書く問題が少なからずあるため、計算ミスには注意。途中式を書く問題は途中経過が正しければ部分点をもらえますが、答だけを記入する問題は最終的な答がすべてです。1つのミスが大きく響くので、とにかく慎重に。