薬科大が医学部を開設!?東北薬科大学の新たなる試み

薬学部など医療系の学部に興味を持っている受験生に向けて、東北薬科大学の試みを紹介!薬学部の単科大でありながら、傘下に医学部を開設しようという計画を進めており、もし実現すれば全国初♪
東北地方を代表する薬科大、東北薬科大学!ここでは今、医学部の開設に向けた動きが本格化しつつあります。薬科大が医学部を保有すれば全国初♪今後の動きに期待大です!

東北薬科大学の医学部設置計画!

2013年4月に日本初となる薬学部付属病院を開院した東北薬科大学。この大学に、ならなる動きが出てきていることはご存じでしょうか?なんと薬学部の単科大だった東北薬科大学が、医学部を設置するというのです。医大が薬学部を設置するのではなく、薬科大が医学部を設置するという構想は、もちろん日本で初めての試みとなります。
もちろん単に大学の規模を拡張したいというわけではありません。薬学の知識を有し、薬物代謝や薬品の相互作用に詳しい医師を養成することで、単に診断と処方をするだけでなく薬物療法のノウハウを持った医師を世に出すことが目的。いわば“薬物療法専門医”といったイメージの医師を育てようというのです。(もちろん薬物療法専門医などという資格は存在しませんが…)
また、同時に東日本大震災で医師不足が加速したことから、その不足を補填する人材を育成したいという思いもあるんだとか。東北の復興に尽力しようという大学側の強い意志がうかがえますね。

東北薬科大学医学部の概要

まだ構想段階なので、実際にこのとおりになるかは不透明ですが、一応の概要は決まっているようです。入学定員は1学年100名程度。東北の医師不足を緩和するために、東北地方からのみ出願を受け付ける地域特別枠を10名前後ほど設ける予定だということです。この特別枠で入学した場合、在学年数の1.5倍にあたる期間、大学が指定する東北地方の医療機関に勤務する義務を負います。通常は6年間で卒業しますから、9年は東北の医療に携わることになるわけですね。
とはいえ、日本では医師の供給過剰を防ぐため、34年間にわたって医学部の新設は認可されていません。最後に医学部が新設されたのは1979年の琉球大学までさかのぼります。これも沖縄の本土復帰を受けて医学部設置の必要が出たという事情があってのことなので、どれほど新設のハードルが高いか良く分かります。実際、文部科学省は2003年に“医学部の新設は行わない”という指針を打ち出しました。
とはいえ、悲観的になる必要はありません。政府自民党は国家戦略特区を用いた医学部新設を検討しており、安倍首相は東日本大震災を受けて東北への医学部新設に前向きだということです。
現在、東北薬科大学病院を要する東北薬科大学と、仙台厚生病院との連携を取り付けた東北福祉大学が医学部の新設を計画中。新設が認められるとしても1つだけなので、実現に向けては宮城県のライバル東北福祉大としのぎを削ることになりそう。とはいえ、自前の付属病院を持つ東北薬科大学がやや有利と考える方が多いようです。
いずれにせよ、病院開院に加えて新しい一歩をまたも踏み出そうとしている東北薬科大学の今後に期待ですね!