ジェネリック医薬品の普及と薬剤師の現在
こちらでは厚生労働省が進めているジェネリック医薬品普及策の現状について解説しています。AO入試における面接のネタになる上、薬事界の現状を知るとっかかりとしても役立つので、是非とも薬学部志望の方はご一読を♪
医療費削減の強い味方、ジェネリック医薬品の普及に関するコラム~未来の薬剤師に必須の知識ですよ♪
ジェネリック医薬品の普及が遅れているってホント?
ジェネリック医薬品というのは別名を後発医薬品といい、特許切れとなった先行医薬品と同じ有効成分を持つ医薬品のことです。先行の医薬品の場合、その医薬品を開発するためにかかった研究費用を補填するために比較的高い価格設定をされているのが普通。しかしジェネリック医薬品は先発品を参考にしているので、非常に安価で提供されているのです。
そのため現在では、医療費削減のためにジェネリック医薬品の積極的利用が推奨されています。
ですが、安定供給の不安、安全性への疑念から日本では普及が進んでいません。2009年の調査によれば米国では71%、カナダ66%、英国65%、ドイツ62%という普及率を達成。対して、日本での普及率は2013年を迎えた今日でも29%程度に留まっているのです。
ジェネリック医薬品普及の鍵は一般名処方
多くの場合、処方箋は医薬品の製品名で記載されています。その場合、製品を指定されているので「ジェネリックでも構わない」という旨にチェックが入れられてない限り、薬剤師は書かれたとおりの当該製品を調剤しなければなりません。要するに、先発品の製品名で処方されてしまえば、ジェネリック医薬品の出る幕はないわけです。
そこで、最近では一般名処方が徐々に拡大中。製品名ではなく薬品名で処方していれば、その薬品である限り、どの製品を調剤しても構いません。要するにジェネリックを調剤することが可能になるわけです。
この一般名処方が進めば、ジェネリック医薬品の普及が進むはず。これからの薬剤師は一般名処方にきちんと対応できるだけの知識が求められるようになるでしょう。
徐々に進んでいるジェネリック医薬品の普及
日本では普及が遅れているといっても、少しずつ後発医薬品のシェアが拡大しています。2012年にはジェネリックを使用したことのある患者さんが全体の8割を超え、ジェネリックの服用経験がまったくないという方はかなり減少しました。
しかし、未だに患者さんからジェネリックの質問を受けたことがなく、さらに自分から説明したことのない薬剤師が22%ほどいるらしく、後発医薬品の普及に貢献できていない方もいらっしゃる模様。皆さんは是非、後発医薬品の普及を積極的に進め、医療費の削減に一役買ってくださいね!