要指導医薬品って何!?改正薬事法の内容チェック♪

2013年12月5日に参議院で可決された改正薬事法の詳細を解説!ネット販売の行方は?要指導医薬品という新カテゴリーはどういうもの?薬学部志望者が知っておきたい基礎知識を網羅。受験の面接対策としても役立ちます♪
2013年末に可決された改正薬事法!こちらでは改正によって新しく誕生した要指導医薬品というカテゴリーについて詳しく解説しています。薬剤師の未来を考える上で、薬事関連の法律を知ることは大切!

新設された要指導医薬品ってどういうカテゴリー!?

2013年の12月、ネット販売のルール、OTC医薬品の扱いなどに関して定めた“薬事法および薬剤師法の一部を改正する法律案”が参議院を通過しました。要するに、改正薬事法が可決され、施行されることになったわけです。
2012年にインターネット販売の是非が話題になりました。これは第1種医薬品のネット販売を禁止する厚労省の省令を最高裁が違憲判決したことがきっかけ。ケンコーコムなどのネット販売業者と日本薬剤師会の思惑が対立し、ネットのニュースサイトなどを騒がせたのも記憶に新しいところです。
しかし、一般には今回の法改正によって“ネット販売がOKになったらしい”という程度しか知られていないのが現状で、これは薬学部志望の受験生であってもあまり変わらないでしょう。実際には要指導医薬品というカテゴリーが設けられて、医薬品の販売ルール全体が大きく変化しており、一概に“ネット販売が認められた”という一言で片付けられるようなものではないのです。
ここでは薬学部志望の方に向けた基礎知識、あるいは面接ネタの増強として役立つ改正薬事法の詳細をお伝えしたいと思います。

改正薬事法の概要と要指導医薬品

それでは、今回の改正薬事法について要点をまとめてみましょう。
まず、99.8%の一般用医薬品をインターネット販売することが可能になりましたので、事実上、ほぼ全面解禁と呼んで差し支えないと思います。その上で第1種医薬品については対面販売でもネット販売でも、患者の年齢、ふだんの医薬品使用状況を確認し、薬剤師が“説明の必要がない”と判断した場合を除いて、必要事項を説明することを求めています。要するに、ネット販売業者であっても薬剤師が常駐している必要があり、ネット販売の普及によって薬剤師の雇用が奪われる可能性は低いといえるでしょう。
その上で、医療用から一般用へと転用されたスイッチOTCについては、3年以内の安全性評価が終わるまで対面販売を義務づけることになりました。この評価前の医薬品と劇薬指定品目の医薬品を合わせた“対面販売のみを認めるカテゴリー”が要指導医薬品というくくりになります。要するに、要指導医薬品というのはネット販売を認める医薬品の例外規定ということになるわけですね。
つまりスイッチ化が進むほど、評価終了前の要指導医薬品も増加していくことになりますから、そう簡単に対面販売の人材需要が失われることはないということになります。当面、薬剤師の雇用が減少する心配はしなくても大丈夫でしょう。
薬学部を目指すのであれば、こうした薬事関連の法令について基礎知識をつけておくことが大切。患者さんへの説明に役立つだけでなく、薬事業界の未来を予測し、自分自身の雇用を守ることにも繋がるはずです。