専門薬剤師の資格にはどんな意味がある!?
専門薬剤師ってどんな資格なの!?
最近、専門薬剤師という一般の薬剤師より一歩上をいく資格を目指す方が増えてきています。これは特定の分野について卓越した知識&技能を持っている薬剤師に与えられる資格で“より専門的な薬物療法を安全に実現することができる”という証明にもなるものです。
まだ薬剤師以外の仕事をしている方々にはそれほど知られていませんが、徐々に浸透してきており、将来的には“専門薬剤師>認定薬剤師>一般の薬剤師”というヒエラルキーが定着する可能性も高いでしょう。
これがオススメ!就職に有利な専門薬剤師
それでは現在、7分野で認定されている専門薬剤師の中でも、特に就職に有利だったり、給与&待遇アップに有利だったりするものを紹介したいと思います。いずれも実務経験が必要なので5年、10年先を見据えた将来的な目標になるとは思いますが、専門的な仕事をバリバリとこなしていきたいのであれば、認定資格の取得を目指すのがオススメ。
“薬を売るのではなく、医療従事者として患者さんの治療に携わりたい”という熱意ある方は、専門薬剤師の資格を生かしてチーム医療に参加していくという将来を是非とも検討してみてください!
・がん専門薬剤師
がん薬物療法について突出した技能、知識を有する薬剤師。医療チームの一員としてがん治療に携わるスペシャリストです。日本医療薬学会が認定する資格で、特に認定者数が多いのが特徴。化学療法は手術、放射線治療と並んで、がんの3大治療法とされていますが、医師は必ずしも抗がん剤について詳しいわけではありません。薬物の効果、副作用、効果的な用法をよく知るがん専門薬剤師がチームに加わることで、より効果的な化学療法を提供できるとされています。
・感染制御専門薬剤師
感染症に関して傑出した知識を持つ薬剤師。抗生物質や消毒薬のスペシャリストであり、感染制御チーム(ICT)の一員として治療に参加することが期待されています。特に腎不全、肝不全の患者や未熟児といった合併症によって症状が重篤化しやすいケースでは、強力な抗生物質を適切に扱うことのできる人材がいるといないで、治療効果が大きく変わるのです。2009年の時点で200人以上が認定されており、比較的早く普及しているのも強みといえるでしょう。
・栄養サポート専門薬剤師
栄養サポートチーム(NST)の一員として、中心静脈栄養法を適切に管理するための薬剤師。栄養サポートチームは欧米で早くから一般化していたものの、日本では普及が遅れていました。しかし、2006年の診療報酬改定により“栄養管理実施加算”が算定されるようになり、多くの病院がNSTを採用。今では医療の質を上げるために不可欠な要素とされています。栄養サポート専門薬剤師は薬学的な観点から処方内容を検討し、輸液製剤の無菌調製を行うなど、チーム医療の中核を担うことになります。
以上のほか、精神科専門薬剤師、HIV感染症専門薬剤師、妊婦・授乳専門薬剤師、認定専門指導者といった専門薬剤師資格が存在しています。
ちなみに上に挙げたオススメの資格から分かるように、専門薬剤師というのは病院勤務の場合に大きな意味を持つ資格です。“チーム医療に加わり患者さんの治療に携わりたい”と考えているなら、是非とも将来的な専門薬剤師資格の取得を目指しましょう!