中堅薬科大として堅実な実績を誇る明治薬科大学。単なる偏差値の数値からは読み取れない、学力レベルの実態も徹底レポート!

学力レベル考察
慶應大学薬学部

慶應大学校舎

慶應大学薬学部

偏差値62.5~65.0
国家試験合格率87.26%
募集学科薬学科
薬科学科
募集人員薬学科:100名
薬科学科:50名

慶應義塾大学薬学部受験のアドバイス

1.科目ごとの配点

英語・数学は100点、化学は150点の合計350点です。2019年の合格最低点は207点と低めで、2018年は204点・2017年は227点・2016年は216点・2015年は246点という推移になっています。その年によって約6割~7割(210点~250点)となりますが、5年前と比べると最近の方が最低点は低くなっています。
となると、最低点が6割の場合“3科目総計で60%に達していれば合格間違いなし”と考えられますが、最低点が7割の場合“3科目総計で80%に達していなければ合格は難しい”でしょう。1つでも“9割超えが期待できるような超得意科目”があれば有利になりますが、場合によっては1つでも不得意な科目があると合格最低点を割る可能性も大きくなり、3科目を平均80点にしなければ合格は難しい年もあるのです。

2.問題ごとの時間配分

・英語
制限時間80分で大問が3題。以前は全問が長文読解でしたが、2012年以降は長文2つと語彙問題1という組み合わせに変化し、2015年以降には読解問題3題の出題が続いています。語彙レベルはやや高く、内容も部分的に読みづらい個所がある英文が多いです。今後どうなっていくかは未知数なので、長文読解×3が出題されても解き終わるように勉強しておくのが賢明でしょう。
ここまで読んだ時点で察しはついていると思いますが、80分で長文3題というのは“時間との戦い”です。素早く正確に長文を処理できないと勝負になりません。しかも、長文に含まれている語彙は相当のレベルで、文章自体にも複雑な構文が当たり前のように使われています。理系の受験生といえども、英語の学習に相当の時間をかけておく必要があるでしょう。 配分うんぬんというよりも、速く正確に読む能力を身につけた上で初めて土俵に上がれるといったレベル。

・数学
問題は典型問題がメインとなり、計算量が多い問題が出題されていますが、正確な計算力が身についていれば時間内の完答はそれほど難しくないでしょう。毎年、微分積分に関する問題は出題されており、その他もベクトル、確率・場合の数が大問としてよく出題されていますので、傾向が分かれば難しくはないと思います。

・化学
制限時間100分に対しての問題量は標準程度…なのですが、難易度が高いので時間内の完答は簡単ではありません。新研究や講義系、資料集を読み込み、過去問で思考力を身につけてください。最近の傾向は、論述や図を書く問題が出てきますので、国立用の問題集などで対策しておくのも良いでしょう。

3.併願情報

慶応義塾大学が第1志望で実力の高い受験生の場合、併願先は偏差値帯が近い北里大学・東京理科大学などになるでしょう。慶応義塾大学が第1志望で、実力的にチャレンジ要素が強い場合、実力相応校として明治薬科大学・東京薬科大学といった偏差値50台後半の大学を複数受験するのが賢明だと思われます。第2志望以下で慶応義塾大学を受験する場合、第1志望は東京大学をはじめとする最難関国立大になるでしょう。

慶應義塾大学の受験レベルを検証

国内屈指の難関大学であり、生半可な学力で合格するのは非常に困難です。2019年の受験者数は全体で、2,011人に対して合格者数は532人、倍率は3.8と、昨年と比較すると若干下がっていますが、4倍近くの数値を出していますので、合格の壁は非常に高いことが窺えます(ちなみに学科別では、薬学科は4.7、薬科学科は2.6)。当然ではありますが、私立最難関である慶応義塾大学の難易度はまさに圧倒的といえるでしょう。入試の方式もシンプルで、基本的には一般入試だけとなっています。(センター利用方式は2011年をもって募集停止)帰国子女などに向けて若干名募集の特別な試験も行っているようですが、こちらは普通の受験生には無関係。たった1回のチャンスをものにする以外に、合格の術はありません。慶応義塾大学への合格が確実といえるのは“東京大学が既定路線で、慶応なんて滑り止め”と豪語できるようなごく一部の秀才ぐらいでしょう。偏差値70以上を年間通して維持できているトップレベル層でもない限り、確実圏内とはいえません。事実、直前の模試で偏差値70をクリアしたような受験生でも人によっては不合格になっています。

慶応義塾大学受験の極意☆ここをチェック!

受験科目は英語・数学・化学の3科目。センター利用などの抜け道もありませんから、全科目で合格基準点をクリアできるように徹底して勉強しておくしかないでしょう。ここ数年の合格最低点は6~7割ですが厳しい年もあるので十分気を付けてください。確実に合格するのであれば7割に向けて、3科目を平均的に点数を獲得できるレベルを目指した方が良いと思います。難関大学の場合、あまりに問題が難しいせいか“合格ラインが5割ちょっと”なんていう例も多く、そういった場合には1科目が壊滅的でも残り2科目でカバーして合格するようなケースも存在します。しかし、合否を決めるのはあくまで大学側なので、例えば2科目とも満点で残り1科目が0点といったレアケースの場合、総合得点で合格ラインを超えているからといって合格にしてもらえるかどうかは分かりません。また、5年前のように合格最低点が上昇する年になれば「苦手科目は半ば捨てて得意科目で稼げるだけ稼ぐ」といった、中堅大学では禁じ手ともいえる方法は無いと思った方がよいでしょう。

編集部より

吸収合併には賛否両論も、今後に注目の新設学部!

偏差値的には私大トップですが、いくらかの不安要素も…

65という偏差値が示すとおり、入学試験の難易度においては日本国内の私大でも1位・2位を争うレベルにあります。総合大学ですから、単科の薬科大と違って薬学とは無縁の人々からも羨望の眼差しで見られることでしょう。しかし、冷静になって“入学してからの教育力”を考えた場合、正直言って若干の疑問符が点灯するのも事実です。もちろん、教育する力がないなどと申し上げるつもりはありませんが、入学するために払った労力と天秤にかけた場合、ちょっと物足りないのは間違いありません。というのも、毎年行われる国家試験の合格率が80%~90%前半と、最難関レベルの大学にしては意外な数値ですし、5年次進級に必須の薬学共用試験合格率さえ中堅大学と良い勝負…。やはり共立薬科大学を吸収合併した“急造の薬学部”ですから、まだ内情は慶応義塾大学になりきれてしない部分もあるのかもしれません。どうも、日本一の私大というイメージには追いついていない感じがあります。そもそも、共立薬科大学というのは偏差値50台(中堅)から、やや難関といった大学で、とても慶応義塾大学と肩を並べられるレベルにはありませんでした。それを吸収し、共立薬科大学のキャンパスに「慶応義塾大学薬学部」という看板をつけても、すぐに内部のレベルが急上昇するわけではありません。もちろん、慶応ブランドの後押しがありますから、徐々に伸びていくのは間違いないと思います。ですが、現状では「入学の難しさ・偏差値」と「入学後の指導力」が乖離しているという厳しい見方があることは頭に入れておくべきでしょう。

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