東京理科大学薬学部のオンライン模擬試験。東京理科大学薬学部の過去問をアレンジして公開しています。受験前の腕試しに是非!

入試過去問題
東京理科大学薬学部編

薬科大学の最難関!緻密な学習計画が必要です

多くの上位薬科大学と同じく、一般入試の受験科目は英語・国語・化学の3科目となっています。これまた薬科大学にありがちな傾向ですが、化学のみ150点満点、英語と数学が100点満点の傾斜配点。350点満点で合格を争うことになります。合格最低点は2010年が233点、2011年が258点と基本的に7割前後を推移。上位薬科大学の多くと同じように、70%が合否の分かれ目となっています。ただ、合格点は状況によって上下しますから、75%得点できるように受験勉強を進めましょう。薬科大学志望者であれば言うまでもないとは思いますが、化学を最重視した学習計画を立てておくことが肝心。東京理科大学薬学部の場合、試験の配点・難易度を勘案して化学>英語>数学の順に学習時間を取ることをオススメします。私立薬科大学のトップクラスと言われている理科大生になれるよう、頑張ってくださいね!

化学

化学(各2点×31=62点)

原子量が必要な場合、次の数値を使うこと
H=1.0 C=12 N=14 0=16 Na=23 S=32 K=39 Mn=55 I=127

問1.次の文章を読んで問いに答えなさい。

ベンゼンは触媒の存在下でプロペンと反応して( a )となり、酸素酸化で( b )としたあとに希硫酸で分解すると、日本薬局方に収載されている消毒・殺菌薬である( c )と脂肪族化合物( d )を生じる。
トルエンを濃硫酸と共に熱すると( 1 )反応により( e )を生成し、ついで( 2 )のあとに希塩酸を反応させると、日本薬局方に収載されている消毒・殺菌薬である( f )を生じる。
フェノールを硝酸で( 3 )して( g )とし、さらにスズ・濃塩酸で( 4 )し、水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とすると( h )が得られる。ついで酢酸中・無水酢酸で( 5 )すると日本薬局方に収載されている解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンになる。
ただし、以上の芳香族化合物に関する反応で、p体とo体の両方の異性体が生成する場合には、p体を分離精製して用いることとする。

1:空欄a~dに入る語句を次の中から選びなさい。

プロピン・ベンズアルデヒド・フェノール・プロパン・クメンヒドロペルオキシド
1-ナフトール・ナトリウムフェノキシド・クメン
イソプロピルアルコール・アセトン・イソブチルベンゼン

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2:空欄e~hに入る語句を次の中から選びなさい。

アニリン・アセトアニリド・p-クレゾール・p-アミノフェール
クロロベンゼン・サリチル酸・p-トルエンスルホン酸・ニトロベンゼン
p-ニトロフェノール・ベンゼンスルホン酸・ベンジルアルコール

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3:空欄1~5に入る語句を次の中から選びなさい。

還元・アルカリ融解・アセチル化・酸化・スルホン化・ジアゾ化・置換・脱水 付加・ハロゲン化・ニトロ化

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問2.次の文章を読んで設問に答えなさい。

周期表の横の行を周期と呼び、第1周期~第7周期がある。縦の列を族と呼び、第1族~第18族まである。各周期の1,(a)および(b)~18の各族の元素を( あ )、また各周期の3~(c)の各族の元素を( い )と呼ぶ。( い )は原子番号が変わっても( う )の数がほとんどの元素で1個または(d)個であることから、隣り合う元素の( え )も似ている。
これとは別の分類で、元素は金属元素と非金属元素に大別され、金属元素は周期表の中央付近から( お )に、非金属元素は( か )に位置する。金属元素はエネルギーを加えると電子を( き )傾向があり、この傾向が強くなるほど陽性(金属的性質)は( く )なる。従って、この特性は周期表で各周期の左から右へ行くほどに( け )なり、各族の上から下へ行くほどに( こ )なる。
第1周期から第4周期には(e)種類の元素があり、常温常圧で単体が気体で存在するものは(f)種類、固体で存在するものは(g)種類、そして液体で存在するものは(h)種類である。

1:空欄a~hに適当な数字を入れなさい。

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2:空欄あ~こにあてはまる語句を次の選択肢から選びなさい。
ただし、同じ選択肢を複数回選んでも良い。

【選択肢】
左上・左下・右上・右下・強く・弱く・得る・失う・遷移元素・典型元素
価電子・原子価・軌道電子・物理的性質・化学的性質

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数学

数学(1~4が各5点×4=20点・5~7が各6点×3=18点で、計38点)

問1.次の文章を読んで設問に答えなさい。

箱の中に、同じ大きさの赤玉4つと白玉2つが入っている。この箱の中から同時に3つの玉を取り出し、玉の色を確認してから箱に戻すという試行を繰り返し行う反復試行について考える。

1:1回の試行で、取り出した玉の中に含まれる白玉の数をk(k=0,1,2)とする。この時に、k=2となる確率を求めなさい。

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2:同様に、k≧1となる確率を求めなさい。

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3:確率が最大なのがk=xの時であるとした時、xの値を求めなさい。

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4:上記の例でk=xとなる確率を求めなさい。

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問2.取り出した玉の中に白玉が2つ含まれるという事象が2回発生した場合、そこで反復試行を終了し、それ以上の試行は行わない。また、試行が5回に達した場合、6回目の試行は行わずに反復試行を終了する。 以上の条件を加え、以下の問いに続けて答えなさい。

1:反復試行を終了するまでの試行回数が3となる確率を求めなさい。

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2:反復試行を終了するまでの試行回数が4以上となる確率を求めなさい。

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3:反復試行を終了するまでの試行回数の期待値を求めなさい。

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編集部より

薬科大学最難関の一角!難易度は高めです

慶應大・北里大と並んで私立薬科大学の最難関とされる東京理科大学薬学部。やはり、全体的な難易度は高めで、特に化学・英語が難しいです。 まず化学は、理論化学・有機化学を重視しており、無機化学からの出題がやや少ない傾向。理論化学では、化学1からイオン化傾向・酸化還元反応・中和滴定・電気分解・電池が、化学2からは溶解度・希薄溶液の性質・化学平衡・電離定数などが特に重視されているようです。有機化学では、天然有機化合物が毎年のように出題されており、わりと問題傾向はハッキリしている印象。どの分野でも、基礎的知識を幅広く問題にした上で応用問題へと繋げていく形式になっており、総合力が問われます。試験時間100分に対する問題量は相当で、時間配分に注意しないと全問を解ききることは困難でしょう。数学は、3科目の中では最も難易度が低くなっています。広範囲から出題されるので傾向を読むことは出来ませんが、標準的な問題を確実に解けるようにしておけば合格点は超えられるでしょう。ただ、計算量が多いので、早く正確に処理できるだけの計算力は必須。60分での全問完答は簡単ではありません。最後に英語ですが、これは非常に難易度が高いです。すべての大問が長文をともなっていることが多く、文法・語彙だけを問うような小問はほとんど出題されません。当サイトでは"長文ばかりの問題をモニター上で読解するのは困難だろう"という視点から掲載を見合わせました。関係詞節が幾重にも絡むような複雑な構文が含まれる長文を当たり前のように出してくるので、薬科大学志望の理系といえど英語の勉強に手抜きはできません。『英語リーディング教本』『英文読解100の原則』といった、緻密に構文を取っていく読解法について詳述した参考書を用い、文系の学生にも負けないだけの英語力を養いましょう。